理事長あいさつ
日本病理精度保証機構は、病理診断の精度管理の向上を目指して設立され、平成26年3月に認証された特定非営利活動法人(NPO法人)です。病理診断は、がんなど多くの疾患の確定診断に不可欠であるばかりではなく、近年は治療方針決定などにも大きく寄与しています。このため、質の高い病理診断が行われることは、患者さんに対して適切な医療が施されることと直結しています。
これまでの病理診断では、標本作製から診断報告までの過程で、各医療施設が自らの努力により精度管理を行ってきました。しかしながら現在は、医療の均てん化が求められ、標準化された病理標本を基に、質の高い病理診断が行われるべきと考えられています。このような現状を鑑み、日本病理精度保証機構は、精度管理支援事業として、参加する医療施設の外部精度評価活動を行うとともに、各施設内での精度管理支援や精度管理に関する啓発活動を行うことで、機構の目的を達成いたします。
皆様におかれましては、日本病理精度保証機構の活動趣旨にご理解とご支援をいただくとともに、各医療機関におかれましては、積極的に活動に参加していただき、本機構と一丸となって国民全体の医療向上を実現していきます。
特定非営利活動法人 日本病理精度保証機構 理事長
鬼島 宏
設立の趣旨
日本において,病理診断科は標榜科として認められ,細胞・組織形態に基づき疾患の確定診断を行うことで医療の向上に大きく寄与しています.日本のあらゆる医療施設において質の高い病理診断を行うためには,病理技術や診断基準の標準化,およびこれに基づく病理診断部門内外での精度保証が必要不可欠となっています.
病理診断における精度保証のうち,施設内での標本作製や顕微鏡観察に必要な染色,および病理医による診断・報告過程などに関する「内部精度管理」は,各施設にゆだねられ,そこにおいては,不断の努力が払われてきています.また,「外部精度評価」は日本病理学会が中心となり研究レベルでのみ試行され,施設間の診断精度の差異が指摘されていますが,精度の向上を目指す組織的な事業活動は未だ行われていないのが現状です.
これらの問題を解決し、適切で質の高い病理診断を臨床医に提供して、患者および国民に対する責務を果たすためには、病理診断の精度保証機構が必要となります.精度保証機構を設立することにより,その必要性についての普及・啓発活動とともに,多施設の病理診断の質を定期的に評価し,各施設において是正すべき点を把握し,その改善を促すための恒常的な活動が展開できるようになります.このような精度保証活動を継続的に行うことで,病理医は自らの病理診断に対する責務を適切に負うことが可能となり,臨床医は安心して病理診断をもとに治療を行うことができ,国民は適切な病理診断と治療の恩恵を受けることが可能となります.さらに,医療費の効率的活用により,国民の医療生活が向上致します.
本機構の活動は,病理診断に直接携わる病理医と臨床検査技師が主として担うものでありますが,本機構の活動内容に深く関連がある臨床系学会や患者団体とも連携して広く国民に開かれた活動を行うことを目指しております.
諸外国に目を向けると,このような病理診断の外部精度評価が継続的,恒常的に行われ,医療に不可欠な活動として実績をあげている国々も見られます.現在まで,日本病理学会が中心となり病理診断の質的向上に努めてまいりましたが,継続的,恒常的な精度保証機構の必要性,ならびに病理診断の医療における公共性を鑑みまして,今回,特定非営利活動法人を設立し,国民の医療生活の向上に与することを目指す次第です。
医療における位置づけと関連学会
特定非営利活動法人 日本病理精度保証機構では、学会等との連携の下、質の高い病理診断のために、病理技術・診断基準の標準化を目指した精度管理を実現します。
本法人の正会員としては、以下の学会等が団体として加わっており、機構の活動が有機的かつ効率的の行えるような体制を整えています。
日本病理学会、日本臨床衛生検査技師会、日本乳癌学会、日本胃癌学会、日本肺癌学会、日本リンパ網内系学会
(平成26年4月現在、順不同)
構成
理事・委員会
理事会メンバー
- 理事長
- 鬼島 宏
- 副理事長
- 増田 しのぶ
- 副理事長
- 白波瀬 浩幸
- 監事
- 前田 一郎
- 監事
- 阿部 仁
- 理事
- 落合 淳志
- 理事
- 羽場 礼次
- 理事
- 古屋 周一郎
- 理事
- 森井 英一
- 理事
- 木佐貫 篤
- 理事
- 吉田 正行
- 理事
- 坂谷 貴司
- 理事
- 桑田 健
- 理事
- 畑中 豊
- 理事
- 佐々木 毅
- 理事
- 池田 純一郎
- 理事
- 畑中 佳奈子
- 理事
- 孝橋 賢一
- 事務局長
- 滝野 寿
- 総務部長
- 小松 京子
委員会メンバー
1. 企画・運営委員会
- 委員長
- 鬼島 宏
- 委員
- 増田 しのぶ
- 委員
- 白波瀬 浩幸
- 委員
- 森井 英一
- 委員
- 佐々木 毅
- 委員
- 芹澤 昭彦
2. 渉外担当委員会
- 委員長
- 落合 淳志
3. 広報委員会
- 委員長
- 委員
- 畑中 豊
- 委員
- 青木 裕志
4. 教育・研修委員会
- 委員長
- 羽場 礼次
- 委員
- 木佐貫 篤
- 委員
- 黒瀬 顕
- 委員
- 小松 京子
- 委員
- 阿部 仁
5. 外部精度評価委員会
- 委員長
- 坂谷 貴司
- 委員
- 増田 しのぶ
- 委員
- 鬼島 宏
- 委員
- 桑田 健
- 委員
- 吉田 正行
- 委員
- 小松 京子
- 委員
- 古屋 周一郎
- 委員
- 片山 博徳
- 委員
- 滝野 寿
6. 倫理委員会
- 委員長
- 畑中 豊
- 委員
- 桑田 健
- 委員
- 佐々木 毅
- 委員
- 森井 英一
- 委員
- 滝野 寿
- 委員
- 渡辺 みか
- 外部委員
- 小谷 昌子
7. 国際委員会
- 委員長
- 畑中 佳奈子
- 委員
- 長峯 理子
8. 学術委員会
- 委員長
- 坂谷 貴司
- 委員
- 羽場 礼次
- 委員
- 蔦 幸治
- 委員
- 藤井 誠志
- 委員
- 堀井 理絵
評価判定小委員会
- 委員長
- 孝橋 賢一
- 委員
- 羽場 礼次
- 委員
- 増田 しのぶ
- 委員
- 畑中 豊
- 委員
- 木佐貫 篤
- 委員
- 鬼島 宏
- 委員
- 中西 陽子
- 委員
- 津田 均
- 委員
- 池田 純一郎
- 委員
- 畑中 佳奈子
- 委員
- 大橋 瑠子
- 委員
- 加藤 生真
- 委員
- 黒濵 大和
- 委員
- 古賀 裕
- 委員
- 坂谷 貴司
- 委員
- 内藤 嘉紀
- 委員
- 山田 勢至
- 委員
- 滝野 寿
- 委員
- 山下 和也
- 委員
- 石田 克成
- 委員
- 青木 裕志
- 委員
- 濱川 真治
- 委員
- 阿部 仁
- 委員
- 石井 修平
データ解析小委員会
- 委員長
- 増田 しのぶ
- 委員
- 坂谷 貴司
- 委員
- 古屋 周一郎
- 委員
- 石井 修平
- サーベイ担当技師
寄付・協力会社
当機構の活動にご理解とご賛同を頂き誠にありがとうございます。
ご支援・ご協力に御礼申し上げます。
- 寄付
- 協力会社
- アジレント・テクノロジー株式会社
- サクラファインテックジャパン株式会社
- 株式会社ニチレイバイオサイエンス
- 浜松ホトニクス株式会社
- ライカマイクロシステムズ株式会社
- ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社
当機構概要
- 名称 特定非営利活動法人 日本病理精度保証機構 (Japan Pathology Quality Assurance System (NPO))
- 主な事務所 〒101-0041 東京都千代田区神田須田町2-17 神田INビル6階 一般社団法人日本病理学会事務局内
- 設立 2014年(平成26年) 4月3日
- 代表者 理事長 鬼島 宏
- 目的等
この法人は、病理に係る業務の精度管理・評価を行い、医師・検査技師、病理検査室・衛生検査所や一般住民・患者団体に対して教育研修・評価認定事業、啓発事業を全国規模で行うと共に、本邦内外における精度の高い病理診断の普及に寄与することを目的とする。
この法人は上記の目的を達成するため、次の種類の特定非営利活動を行う。
- (1)保健、医療又は福祉の増進を図る活動
- (2)職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
- (3)社会教育の推進を図る活動
- (4)地域安全活動
- (5)前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
また、この法人はその目的を達成するため、特定非営利活動に係る事業として、次の事業を行う。
- (1)病理に係る業務の外部精度評価事業
- (2)病理に係る業務の内部精度管理支援事業
- (3)医師・技師に対する教育研修・評価認定事業
- (4)病理精度管理に対する普及・啓発活動などの事業
- (5)その他目的を達成するために必要な事業